こんな方におすすめ!
- 薬理学を学び始めの薬学2~3年生
- 薬学部1年の有機化学でIUPAC命名法を学習中の方
- 実習前の薬学4-5年生
- CBT対策中の薬学部4年生、国家試験対策中の6年生
薬の一般名と商品名の覚え方を紹介!
薬理学覚える事沢山ありますよね・・・💦
筆者も大学で薬理を勉強し始めた時はそうでした。専門用語とカタカナ羅列のオンパレード。 薬学部の1年生の有機化学で初期に学ぶIUPAC命名法や化合物の慣用名。せっかく化学で学んだので薬理の暗記に活用してみませんか?
今回はSGLT2阻害薬。こちらの名前の由来を化学構造の観点からご紹介しようかと思います!
名前の由来は化学構造から!
SGLT2阻害薬のステムは起源成分から!

リンゴやサクランボの樹皮に含まれるフロリジンと呼ばれる成分の名前がステムの由来になっています。
当初フロリジンの用途は抗炎症薬、抗マラリア薬でした。フロリジンの大量投与によって尿中に糖が多量に排泄される事が判明し、フロリジンがSGLT1,SGLT2を強力に阻害する事が分かりました。

SGLT1は小腸に発現し消化管からの糖吸収を、
SGLT2は近位尿細管に発現し糖の再吸収を担っています。
SGLTを非選択的に阻害するフロリジンはSGLT1を阻害する為消化器症状を起こしてしまいます・・・
SGLT2を選択的に阻害しこの欠点を解決したものが
イプラグリフロジンでした

血糖降下薬を表す接頭辞「Gli-」と
フロリジン「phlorizin」を組み合わせ
「-gliflozin」がSGLT2阻害薬のステムになりました。
※発音の都合上 ph→fに置き換わっています。

SGLT1,SGLT2の体内の分布や基質については
国家試験や期末試験でも狙われそうですね🤔
作用機序や治療理念が由来となったSGLT2阻害薬
イプラグリフロジン

カナグリフロジン

化学構造が由来になったSGLT2阻害薬
ダパグリフロジン

トホグリフロジン

ルセオグリフロジン

エンパグリフロジン

オマケ 先発品名の由来も見てみよう!(実習対策に)
オマケコーナーとして先発品名にも触れてみます!というのも実習先では・・・
実習での調剤中・・・・

○○君(さん)
フォシーガって何の薬ですか?

フォシーガ??????
商品名だよな、何の薬なの・・・
せめて成分名が分かれば!

因みに余談ですが
実習中指導薬剤師の先生から
「○○は何の薬ですか?」って聞かれる事非常に多かったです。
なーんて事が非常に良く起こりました。ですので商品名の由来も見てみましょう!
一般名 | 先発品名 |
---|---|
イプラグリフロジン | スーグラ |
ダパグリフロジン | フォシーガ |
トホグリフロジン | アプルウェイ/デベルザ |
ルセオグリフロジン | ルセフィ |
カナグリフロジン | カナグル |
エンパグリフロジン | ジャディアンス |
作用機序から名付けられたスーグラ(イプラグリフロジン)

スーグラですが、
こちらは一般名「イプラグリフロジン」です
薬効発現の作用機序に関連する共輸送体である SGLT2 より、
スーグラ® Suglat® となりました。
役に立ちたいという想いから来たフォシーガ(ダパグリフロジン)

フォシーガですが、
こちらは一般名「ダパグリフロジン」です
患者本人やその家族、関わる医師のためであることを表す for、ほかの血糖降下薬には
ない新たな糖吸収の抑制作用( inhibit glucose absorption) の略 iga 、これらを掛け合わせることを表す x より、
フォシーガ® Forxiga® となりました。
アプルウェイとデベルザ(トホグリフロジン)
起源植物が由来のアプルウェイ

アプルウェイですが、
こちらは一般名「トホグリフロジン」です。
りんごの樹皮から抽出された物質を用いた、今までの糖尿病治療薬にはない作用機序をもつ薬剤による治療法であることから、りんご apple と治療法を表す way
より、アプルウェイ® Apleway® となりました。
治療目的から来ているデベルザ

デベルザですが、
こちらも一般名「トホグリフロジン」です
糖を体外に排泄することで糖毒性を解除してエネルギー代謝全般を改善。
内面から身体美を取り戻すことを期待できる薬剤であることから、ポルトガル語で美を意味する de beleza に由来して、
デベルザ® Deberza®となりました。

ポルトガル語かいな!
ルセフィ(由来なし)

ルセフィですが、
こちらは一般名「ルセオグリフロジン」です。
こちらは一般名のLuseogliflozinから一部抜き出し
ルセフィ®Lusefi®となりました。
治療理念と化合物由来の名称両方から来ているカナグル

カナグルですが、
こちらは一般名「カナグリフロジン」です
一般名の「Canagliflozin」と過剰な糖「Glucose」を尿中に排泄する事で健康を取り戻したい希望を「かな(CANA)える」という想いから
カナグル® Canaglu®となりました。
ジャディアンス

ジャディアンスですが、
こちらは一般名「エンパグリフロジン」です
Ja(ポジティブ,ドイツ語の”Yes”)とRadiance(輝き)から 2 型糖尿病の患者さんに未来へのポジティブな輝きを与える薬剤という意味から
ジャディアンス® Jadiance® となりました。

ドイツ語が由来の医療用語とか結構ありますよね!
名前以外はご自身で調べてみましょう!
本記事には商品名の由来まで示しました。おそらくこれを読んだ方は

確か一般名ダパグリフロジンだよね!
注意点は~
と商品名と一般名を結び付けて理解する事は出来たはずです!
あとは上記の質問に対してどの様に答えるかなど考えておくのが良いかと思います!
参考ですが着眼点だけここに示しておきます
- 作用機序はどんな感じだっけ?
- 一般的な用法用量ってどれくらいだっけ?
- 作用時間はどれくらい?副作用出やすい時間帯とかあるのかな?
- 併用してはいけない薬はどんなものがありますか?
- 患者さんへの説明は?
→新規処方の場合と継続処方の場合でそれぞれ考えてみると良いかな? - これらの薬飲んでる患者さんってどんな悩みがあると思いますか?
- SGLT2阻害薬には糖尿病だけでなく慢性心不全に適応のある薬剤もありますが、それはどれですか?また、その時の注意点は何ですか?
参考文系
医薬品の一般名の由来や開発エピソードに関する情報が盛りだくさんの図鑑です。もっと詳しく知りたい方には是非おすすめです!
薬理学は薬学部全学年について回る科目なので薬学生全般に凄くおすすめですが、特に1~2年生には是非読んで貰いたい一冊になります!それは有機化学でIUPACを学んでから日が浅い内に読むことでその後の時期で学ぶであろう薬理学に直接繋げて行く事が出来るようになるからです。
興味ある方は是非大学図書館や書店に足を運んでみてはいかがでしょう!
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