ヤクジツ|実務実習マニュアル。薬局実習中に薬学生が意識したいこと。

実務実習

初めに

 CBT・OSCEを終えた薬学4年生の皆様。お疲れ様でした。これから実務実習が始まり、薬局に行かれるかと思います。ここでは実習を終えた薬学部5年生の視点から、実習中に意識していた事や経験した事などに触れてみます。

  • 有意義な実習にしたい!
  • 実習を最大限の学びにしたい。
  • 国家試験にも繋げたい!
  • 指導薬剤師さんや患者さんと上手くやるにはどうしたらいい?

等の意気込みや悩みに対して、持っておくと良い考え方に関する記事を用意しました。

 今回の記事は薬局実習を通して、意識しそれなりのお褒めを頂いた際の記事になります。前半では「マナー・人間性」、後半では「薬学知識の向上・国家試験対策」に視野を当てて解説するので是非参考にして下さい!

社会人としての基本言動

出勤

 到着後の準備等にかかる時間を考えて10~15分程前には薬局に行くようにしてました。そこで調剤室に持っていく持ち物の整理やその日の目標を考えて頭を整理します。その後お手洗いなどを済ませてから調剤室に入ります。

挨拶

 挨拶は全てのコミュニケーションの第一歩です。笑顔で明るい挨拶は、相手を受け入れている事を示すものでもあり、また、相手に受け入れて貰う為にも必要な物です。働いているスタッフの方々に対して「おはようございます」「お疲れ様でした」「お先に失礼します」ときちんと声に出して相手の目を見て挨拶の言葉を伝えましょう。

 また、慣れてきたら挨拶に一言添えてみると良いでしょう。「おはようございます!、昨日のアドバイスについて少し考えて見ました!」だったり、「おはようございます!、本日も一日よろしくお願いします!」などです。基本的に良い事を言われて気分が悪くなる人はいないはずです。実習先で良好な人間関係を構築する為にも是非意識してみてはいかがでしょうか?

5Sの意識

 5Sとは、「整理」「整頓」「清潔」「清掃」に「習慣」を加えたものです

  • 整理
    →実習をする上で必要な物と不要な物を分けて不要な物は持ち込まない事です。ゲーム機など関係のない物を持ち込むのは論外ですが、それ以外にも本当に必要かどうか考えられる物はあります。例えば「今日の治療薬」という本ですが、もし調剤室に置いてあるなら自前の物を持ち込む必要はないはずです。また、携帯等で電子版が見られるのであればそれで良いでしょう。調剤室はそこまで広い訳ではないので持ち込む物は最小限にする意識を持っておくと良いでしょう。
  • 整頓
    →必要な物がすぐに取り出せるように入れる場所、入れ方を決めておきましょう。例えば、「胸ポケットには印鑑とボールペンを」「左ポケットにはポストイットを」「ポーチにはハサミと電卓を」と言った形で自分ルールを決めておきました。
  • 清潔
    →調剤室は医薬品。すなわち人の身体に入るものを取り扱う場です。実習で使ったものは常に掃除をしてゴミ、汚れの無いきれいな状態にしておきましょう。例えば席を立つときに持ち手の部分を消毒するなどが挙げられます。また、手洗いうがい、爪を切るなど自身の身体の清潔にも目を配りましょう。
  • 習慣化
    →最後に習慣化です。上記に挙げた物を意識しなくても連想出来るように体に覚えこませておきましょう。

「ありがとう」の一言を

 実習中に積極的に「ありがとう」を口にしましょう。教えて貰った際にお礼を言うのは勿論の事、私はトイレを掃除してくれたスタッフの方に「いつもキレイにしてくれてありがとうございます」等を積極的に口にしていました。言った方も言われた方も基本的に気分が良くなります。調剤室の雰囲気を良くする事にも繋がっていきます。

 是非意識的に感謝を言葉にしてみましょう!

保険薬局は誰の為にありますか?

患者さんの為です

 患者さんに安心・安全のサービスを提供して生活の質(Quality of Life: QOL)を向上させる為のお手伝いをする事、疾病予防や健康増進のお手伝いをする事が薬局の役割です。では、薬局に於けるQOL向上とは具体的にどの様な物があるでしょうか?リストアップしてみます。

  • 服薬アドヒアランス向上のための工夫(一包化,お薬の管理法に関する提案)など
    →どうやったら飲みやすいか?服薬を継続して行けるか?等を患者さんと話し合いながら提案していきましょう。
  • 副作用の早期発見。
    →患者さんの身を守る為に必要です。ただ一方的に症状を伝えるのではなく、患者さん自身がその対処法について理解して貰える状態を目指しましょう。また、薬剤師の目線からの客観的評価も必要になります。
  • 漫然とした薬剤使用の削減
    →クスリはリスク、少ないに越した事はありません。しかし単純に処方薬を削れば良い訳ではありません。長期投与が良くない薬、併用が良くない薬、個人差が出やすい薬・・・等々、医薬品にはそれぞれ特徴(キャラクター)があります。医薬品の特徴と患者さんの生活、双方の視点から見て考える事が求められます。
  • 患者さんファーストな思考を
    →待ち時間、待合室の気温や日当たり等の環境面、挨拶や笑顔等の人柄面、そして患者さんの体調に合わせた対応、待ち時間を短縮する・待ち時間を有効活用してもらうための工夫など常に患者さんの利益を考えた対応が求められます。

医療提供施設であり、地域保健施設です

 薬剤師が行う介入行為とは何があるでしょうか?

 患者さんが必要とする医薬品とその情報、付帯する健康関連のサービスや、患者さんに取って必要と考えられる情報を薬剤師が判断して提供する事そのものが介入行為と言えるでしょう。また、疾病を有している方のみならず、健康に不安のある方、健康を増進したい方々へのアドバイスや医薬品、サプリメントの提供なども行う場が薬局です。

 ここで難しいのが、「患者さんに取って必要と考えられる情報を薬剤師が判断して提供する事」になってきます。薬剤師が良かれと思っている事が必ずしも患者さんが必要としているか?役に立つ情報なのか?が分からないからです。このように患者さんとの間で認識の解離を起こしたまま投薬時対応をしてしまうと「思い込み」を引き起こしてしまいます。患者さんの立場に立って考える、いわば患者さんが置かれている状況を自分事として考える癖を付ける事などが必要とされます。

医療機関との連携の為に

  患者さんへ提供する医療は、薬局だけで完結する事はありません。チーム医療の中で、医療担当者同士で情報交換をすることでより一層患者さんのQOL向上に役に立つものとなります。また、情報交換とは必ずしも治療や医薬品に対しての事だけではありません。患者の基本情報や、保険請求の査定情報など数多くの物があります。

 皆さんは大学で「チーム医療」について何度か講義で聞いていると思います。チーム医療とは多職種(医師,看護師,栄養士,理学療法士,そして薬剤師)が一人の患者さんの治療の為に連携していくものと習っているかと思います。多職種がカンファレンスを行い治療方針を決めて患者に対応していくイメージでしょうか?しかしこれは薬局というよりは病院でのチーム医療に近いです。

 では、薬局に於けるチーム医療とはどの様なものでしょうか?そは、「地域レベルでの多職種連携」です。その地域内にあるクリニック、介護施設、訪問看護ステーション、デイケアサービス、クラブ、自治会、ボランティア、商店街等々、様々な業種の方同士で連携して地域内で患者さんの支援にあたります。まさに、地域全体を一つの医療機関として考えてサポートしていくようなイメーです。そこに薬局も加わり様々な介入をして行く事になります。

  • 地域内での健康講習会の主催
  • 健康イベントへの参画
  • 周辺の店と連携して待ち時間短縮 等々

薬学の学びに対する姿勢を見せよう

事前学習→実習→復習→関連学習 のサイクルを

ありとあらゆる事に興味を持とう

  指導薬剤師の先生から教えて頂いた事や投薬を通して得た知識に対して、「どうして重要なのか?」「何故そのようになるのか?」等を常に掘り下げて考える癖を付けましょう。最初は中々考える余裕が無いかと思いますので、慣れて来てからでも大丈夫です。このように考える事で少しずつですが臨床で求められる考え方が身に付き、未知の状況への対応力も上がって来るかと思います。

 また、このように考える姿勢は指導をして下さる薬剤師の方にもやる気が伝わります。

1から10を学ぶ姿勢

 初めて臨床に出るのですから知らない事ばかりで当然です。指導薬剤師の先生方も分かってくれています。ですの間違える事を恐れず、聞かれた事には回答。もし全然分からなければ全然分かりませんと言ってしまって問題ありません。優しく教えてくれます

 しかし、教えてもらった内容の関連分野は自分で調べて整理・記憶しておきましょう。例えば、以下のような感じです。

指導薬剤師
指導薬剤師

ジアゼパムには90日の日数制限があります。処方にジアゼパムを含む薬剤がある時は日数に着目するようにして下さいね!

実習生
実習生

かしこまりました!
気を付けます

 このような会話があったとしましょう。ここで考えるべきは

実習生
実習生
  • 確か向精神薬だから日数制限があるんだよな・・・?
  • 他に90日制限の薬って何だろう?
  • 確か14日や30日制限の薬もあったはずだから整理しておかないと

 等々です。このように教えて貰った事に対してその内容だけで満足するのではなく、関連する事柄全てを抑えに行くような感じでやっていくと良いでしょう。最初は大変ですが、後々大きな武器にきっとなるはずです!

また、このように考えるきっかけを作るという意味でも事前学習は重要です

さいごに

 以上、実務実習前に知っておきたい事や考え方などを、わかりやすくお伝えしてきました。
実習に対して不安がある方は本記事で紹介した項目を是非意識してみて下さい!いきなり全部は厳しいかと思うので、まず最初は「挨拶」「ありがとう」だけでも意識しましょう。きっと良好な関係を築き有意義な実習に取り組めるはずです!

筆者
ヤクハク職員
itpharmacy1212

1年目薬剤師|学びを通して健康という価値を提供できる薬剤師を目指す|プログラミング経験|どんな分野の学びも必ず関連性がある|薬学、IT問わず学んだ事を発信してきます!| 基本情報技術者保有。|薬学部の勉強って楽しい!|「楽しく」「人を巻き込みながら」学ぶ|当たり前の学びをハイレベルに取り組もう|関わる相手のプロであれ

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